
東京 勝どき味噌ラーメン 居酒屋
朝 一杯のコーヒーの向こう側
高層ビルの27階。
みそびより
7❤️ 1
地元の名店で生まれた思い出を、ショートストーリーで共有しよう

高層ビルの27階。

品川駅の港南口は、夜になると少しだけ寂しい。 仕事帰りのスーツ姿が流れていく中で、自分だけがどこにも向かえていない気がしていた。

梅雨の走りだろうか、朝から降り続く雨が、鎌倉街道を灰色に煙らせていた。

有明テニスの森駅から少し歩いた先にある Pacific PICKLE CLUB は、彼にとって数少ない「呼吸ができる場所」になっていた。

座間駅の改札を出ても、男の頭の中は仕事で埋まっていた。
十二月の榛東村。榛名山の稜線が灰色の空に沈み、赤城おろしが枯れ葉を巻き上げる季節。
銭洗弁財天宇賀福神社の薄暗い洞窟を抜けると、四月の陽射しが眩しかった。

桜の便りがテレビの隅で流れていた三月の末。

大学の卒業式を数日後に控えた冬の朝。 まだ夜が完全に明けきらない時間、僕と浩太はバイクで相模原の山の方へ向かっていた。

連日の残業が続き、今日子の心身はすっかりすり減っていた。